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プレイズ・モーツァルト2015 (CD/SACDハイブリッド)

販売価格 ¥ 3,300 税込
[ 30 ポイント進呈 ]

横山幸雄

■レーベル:アールアンフィニ
■発売日:2015年5月27日
■品番:MECO-1028
■仕様:SACDハイブリッド
■JAN:4562264260300


横山幸雄、初のモーツァルト・アルバム。
自身の全てを昇華させ、満を持して開示!


当代きってのヴィルトゥオーゾ・ピアニスト横山幸雄が、とうとう神聖の領域モーツァルトに挑戦、ここに初モーツァルト・アルバムを世に問う。従来、ショパン、リスト、ベートーヴェン他様々なCDアルバムで何れも極めて高い評価を獲得してきた当代きってのヴィルトゥオーゾ・ピアニスト横山幸雄と、その芸術家の本質全てをガラス張りにされてしまうモーツァルトという神の芸術との昇華はいかに。

ボーナス・トラックとして、SACD層のみプレイエル・ピアノによる「きらきら星変奏曲」を収録、1枚組でありながら実にトータル収録時間は91分37秒!(CD層は79分9秒)

横山が教授を勤める上野学園石橋メモリアルホールでのセッションレコーディング(DSDレコーディング)

■収録曲
モーツァルト
① きらきら星変奏曲 ハ長調K.265
②~④ ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
⑤~⑦ ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調K.333
⑧ 幻想曲ハ短調K.475
⑨~⑪ ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457

スーパーオーディオCD限定収録曲(ボーナス・トラック)
⑫ きらきら星変奏曲 ハ長調K.265 *

横山 幸雄(ピアノ)
演奏楽器:スタインウェイD-274

⑫のみプレイエル(1910年製)

録音:2015年1月19日~20日 上野学園石橋メモリアルホール 


横山幸雄のモーツァルトについて─────林田直樹
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91)の全作品群のなかでも、鍵盤楽器のためのソナタは、最高峰のものに属する。

これらは、真の趣味人のための凝縮された小宇宙であるとともに、平易で親しみやすい家庭的音楽でもある。大ピアニストがその究極の境地においてようやく挑みうる難題であるとともに、初心者のための学習教材にもなりうる。

これほどの両義性――あまりにもむずかしく、だが親しみやすい/高度の芸術性と、軽やかな佇まい――を備えた鍵盤音楽は、そう滅多にあるものではない。
モーツァルトの真の偉大さは、オペラや交響曲や協奏曲ばかりではなく、このような複雑な性格を包含した、華やかではあるが極度に内面的なピアノ音楽を書いたことにもあった。
モーツァルトにとってピアノという楽器は、常に自分自身の反映であった。たとえば協奏曲においては、そのライヴな演奏の場において、独奏を彼自身が受け持つことが多かったが、それは「僕をこう見て欲しい」ということの表れでもあった。それがソロの場合は、より強化され集中される。

彼のソナタはすべて実験の繰り返しであり、一番大切な本音であり、美を磨く場であり、オペラや交響曲へと流れ込むインスピレーションの源泉であった。

ピアニスト横山幸雄がモーツァルトのピアノ・ソナタをレコーディングしたと聞いて思ったのは、円熟の境地にさしかかった彼が、大ピアニストであればあるほど難題となってくる、これらの作品群にいよいよ本気で挑戦するのだな、ということだった。

そして、送られてきた編集段階の音源を試聴して、実感した。技術面においても肉体面においても精神面においても、すべてバランスのとれた理想的な状態だからこそ実現しうる、横山幸雄ならではのモーツァルトが、ここにはある。軽く片付けられるようなものではない。

たとえば、冒頭のきらきら星変奏曲。横山ならではの音のアーティキュレーションへのこだわりが、変奏が進むにつれて明らかになってくる。アーティキュレーションとは、楽譜上は同じ音符であっても、どの音を保ち、どの音を短く切りあげるか、という意識の問題であり、いうなれば発語へのこだわりである。何気なく聴きとおすこともできるが、それが徹底されていることにもふと気が付くはずだ。

そして横山のそうした意識の奥底には、モーツァルトの音楽に対して「いつくしむ」という気持ちが熱く流れている。

K.310のイ短調のソナタは、悲劇的な内容ではあるが、常に快活さと愛らしさの保たれた演奏である。第2楽章で見せる思索的な重さも素晴らしい。

誰もが耳を奪われるのが、コロコロと真珠のように転がる音の、えも言われぬ美しさであろう。これはモダンピアノ、スタインウェイならではの表現かもしれない。ある種の精妙さによってこそ成し遂げられるモーツァルトらしい愛らしさだ。それが、シリアスな内容と共存している。

K.333の最大の聴きどころは、第3楽章である。ここにはユーモアと愛嬌があり、モーツァルトの最高の徳性である「三枚目なところ」(たとえばパパゲーノ的な性格)が少し入ってくる。何気ない可愛らしい主題が、まぶしいばかりの明るさへと、そして壮大な協奏曲のように広がっていき、堰を切ったようになだれこんでいくカデンツァの、何とあでやかなことだろう。小さくて、大きい音楽。スケール豊かな音楽を持っている人が、内に秘めた抑制的な表現をすることの味わい、それが横山のモーツァルトの醍醐味だ。

そういう点で、K.475の幻想曲はまさに、ヴィルトゥオーゾが弾くモーツァルトである。ベートーヴェンやリストで闘ってきた人でなければ決して弾けない、大きなドラマを内包した音楽だ。チェンバロやフォルテピアノの世界から、過去から見たモーツァルトではなく、現代から振り返ってみたモーツァルトだ。

横山はスタインウェイを美しく鳴らしている。リズムが冴え、音にいのちが宿り、すべてのフレーズが必ず何かを語り、歌っている。モダンピアノでなければならない必然性が、ここには感じられる。

K.457の第2楽章では、うっとりするように転がる、滑らかなピアニシモにぜひ耳を傾けてほしい。そして最大の聴きどころは第3楽章だ。ここには横山の独自の解釈が最大限に発揮されていると思う。ロンドだからといって走りすぎない。もの思いに沈むような、透明な湖のように神秘的な音楽。この懐深いテンポは素晴らしい。音楽が決して小さくなったり神経質になったりしない。ゆとりある巨大なダイナミクスは、横山の身上だ。古典派だからといって音楽を過度に小さくしようとするのではなく、純粋に音楽の内容と対峙した結果がこの演奏だろう。ロココ的な趣味という常識にとらわれない、こってりとした深くて濃い音からは、孤独感とロマンの響きが伝わってくる。

このアルバムのボーナストラック(SACDレイヤーのみ)には、ショパンが生涯愛した名器プレイエルの1910年製が用いられている。上野学園で横山はこのヴィンテージ・ピアノを使ってショパンのピアノ独奏曲全曲演奏会も開いている。

ここで感じられるのは、横山がいかにこの楽器と対話を重ねてきたかだろう。メゾソプラノ歌手が高い声でうたうときの表情に似た、愛くるしい響きが、この楽器にはある。夢みるようにささやく感じもある。それはこのきらきら星変奏曲における、変奏ごとに現れる別の表情とハッとするくらいによく合う。

時代楽器演奏家特有の確信犯的ないびつさ、半透明な響きではなく、流麗で透徹した音楽をプレイエルでも作り出せるところが横山の面白いところだ。フォルテピアノの感じを少しだけ残したモダンピアノらしい解釈といえる。

振り返ってみると、やはりスタインウェイはそれに比べて随分ブリリアントで緻密な響きである。横山はいずれの場合も、モーツァルト特有の優しさや愛嬌を、高度な技術によって作り出すことに成功している。大ピアニストならではの熟練の境地だからこそなしうる、ただならぬモーツァルトである。



横山幸雄(ピアノ) Yukio Yokoyama, Piano

 1990年ショパン国際コンクールにおいて歴代の日本人として最年少で入賞し、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多の賞を受賞。以来、人気実力ともに常に音楽界をリードするトップ・アーティストとして活躍している。
 ショパン生誕200年を迎えた2010年に、ポーランド政府より、ショパンの作品に対して特に顕著な芸術活動を行った、世界で100名の芸術家に贈られる「ショパン・パスポート」を授与される。同年「ショパン・ピアノ・ソロ全166曲コンサート」を開催し、多くの観客に感動と反響を巻き起こす。ギネス世界記録に認定されたこの公演は、毎年少しずつ形を変えて、ゴールデンウィークの恒例コンサートとなる。同公演の5年目の節目となった2014年には2日間にわたりショパンのピアノ独奏曲全曲(217曲)を奏覇する歴史的偉業を成し遂げて、満場の喝采を博す。また、2013年からベートーヴェン生誕250周年に向けてのシリーズ「ベートーヴェン・プラス」をスタートさせるなど、自ら企画する数々の意欲的な取り組みにより、高い評価を確立している。
 リリースされたCDは、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞等栄えある賞を受賞。近年では、2011年上野学園石橋メモリアルホールで行った「横山幸雄プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集」を上野学園とキングレコードとの共同事業(全12タイトル)でリリース、2012年デビュー20周年記念コンサートのライブ録音、2013年「プレイズ・リスト2013」、2014年「プレイズ・シューマン2014」をソニー・ミュージックダイレクトからリリースし、「レコード芸術」特選盤に選ばれている。
 TOKYO FM「横山幸雄のピアノでめぐり逢い」のパーソナリティをつとめ、東京と京都にレストランをオープンし音楽と旬の食をプロデュースするなど、活躍は多岐にわたる。
 現在、上野学園大学教授、エリザベト音楽大学客員教授として、後進の指導にも意欲的にあたっている。
オフィシャルサイト http://yokoyamayukio.net/


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