■Part-1「スピーカー篇」の内容紹介
今回発刊する『Western Electric Sound―Part-1「スピーカー篇」』は、別掲の「主な記事内容」のように、佐々木秀孝氏(『カルメン故郷に帰る』『晩春』などの映画の録音技師。WE研究者)のエッセイ「映画の音」や、長島達夫/山中敬三両氏の対談「ウェスタン・エレクトリック・サウンドの秘密」をはじめ、本書のメインとなるWE銘器撰で構成されています。
■Equipment Bulletin
Electrical Research Products Inc.
[資料集]
8-B Amplifier/9-A Type Amplifier/10-A Type Amplifier/
11-A Amplifier/41 Type Amplifier/42 Type Amplifier/
43 Type Amplifier/46 Type Amplifier/55-A Amplifier/
57-A Amplifier/59 Type Amplifier/60-A Amplifier/
61-A Amplifier/62-A Amplifier/86 Type Amplifier/
1086-B Amplifier/87 Type Amplifier/91 Type Amplifier/
92-B Amplifier/95-A/TA-7388 Amplifier Set/
TA-7467-A Amplifier/TA-7477 Amplifier
■発売日:2021年12月17日
■仕様:B5判/258ページ/メイン写真・4色刷(図版等・1色刷)/並製本・カバー付
今日の情報化時代を拓いた先駆者であり、
映画や音楽を気軽に楽しめる社会――その礎を築いたメーカー
[ウェスタン・エレクトリック]
「ウェスタン・エレクトリック(WE)」――正式発足が1882年という、実に永い歴史を誇るメーカーです。そのルーツは、アレキサンダー・グラハム・ベルによる電話機の発明ですが、その電話の普及に伴って業績を拡大し、やがて世界有数の電信・電話会社AT&Tへと発展します。
一方で、多種多彩な研究を行なう「ベル・テレフォン・ラボラトリー」と、その製造部門を担うウェスタン・エレクトリックを併設し、今日につながる多大な業績を残してきました。
その業績の一端を列記すると、
①真空管の実用化と各種アンプ回路の開発、
②コンデンサーマイクの発明、
③ディスク・レコードのマイク使用による「電気録音法」の開発(これ以前はラッパ吹込み)、
④トーキー映画システムの開発(これ以前は無声映画)と高音質の徹底追求、
⑤ムーヴィング・コイル(ダイナミック)型スピーカーの実用化(これ以前はもっと単純な方式)、
⑥信号の2進数符号化(デジタル化)理論の発表、
⑦トランジスターの発明、
⑧ステレオLPレコードの開発、
など、すべてが今日の映画や音楽/オーディオの世界の根底に脈々と流れている音響理論およびテクノロジーです。
こうした卓越した理論や技術に加え、弛まぬ研究・実験の積み重ねの末に、WEは傑出した製品を次々と生み出してきました。
その初期の製品は、開発以来すでに約100年が経過していますが、それに完璧な修復を施し、念入りに調整すれば、現在でも他では得られない素晴らしいサウンドを聴かせてくれる逸品ぞろいです。
つまり、今日の映画や音楽/オーディオの世界を築き上げたルーツであり、常にその最高峰に君臨し続けた類稀(たぐいまれ)なるメーカー――それがWEなのです。
■Part-1「スピーカー篇」の内容紹介
今回発刊する『Western Electric Sound―Part-1「スピーカー篇」』は、別掲の「主な記事内容」のように、佐々木秀孝氏(『カルメン故郷に帰る』『晩春』などの映画の録音技師。WE研究者)のエッセイ「映画の音」や、長島達夫/山中敬三両氏の対談「ウェスタン・エレクトリック・サウンドの秘密」をはじめ、本書のメインとなるWE銘器撰で構成されています。
このWE銘器撰では、世界初の業務用ムーヴィング・コイル型ドライバーユニット「555」(世界初のトーキー映画で実際に使われ、その後、長期間、全米各地の映画館で継続使用。日本全国の主要映画館でも使用実績あり)をはじめ、大口径振動板採用の「594A」コンプレッションドライバー、その前身の「D98634」ドライバー、ボストウィック型トゥイーターの「596A/597A」など、WEの代表的スピーカーユニットについて、多彩なアングルからのカラー写真や説明図・特許図などを用いて、詳細に解説しています。
また先述の「555」や「594A」用の各種ホーンや、「TA4151A」「TA4181A」ウーファー用バッフル、主要なモニターシステムやデヴァイディング・ネットワークなどについても、写真付きで紹介するなど、まさに「オーディオマニア垂涎の書」といえる内容です。
■巻末に「555」「TA-4151 & TA-4153 Types」「596 & 597 Types」レシーヴァーのオリジナル(Electrical Research Products Inc.発行)資料を掲載。
●ウェスタン・エレクトリック・サウンドの秘密
対談 山中敬三/長島達夫
●ウェスタン・エレクトリック 銘器撰
新 忠篤
・Receiver レシーヴァー
555, 594-A, D-98634, 596-A/597-A, 713-C, Altec-Lansing 287, Altec-Lansing 288, Westrex T-530-A, Western Electric London 2090-A, 540-AW/560-AW, TA-4151-A, TA-4181-A, 728-B, 750-A, 754-A/B, 755A, Altec-Lansing 415, Altec-Lansing 515, Westrex T-510-A, Western Electric London 2080-A
・Horn ホーン
17-A/15-A, 12-A, 13-A, 16-A, 22-A, 3-A, TA-7322, 6-A/11-A/14-A, 25-A, KS-6368, KS-6373, 26-A, 24-A, 31-A/32-A, KS-12024/KS-12025/KS-12027
・Baffle バッフル
ASO-3891, ASO-6341, ASO-3863, 5-A System, ASO-6435, ASO-6436, ASO-6459, TA-7098, TA-7331, #6 Type System, TA-7331-A, Wide Range Systems, TA-7397, TA-7396, TA-7401, TA-7395, L-5/L-8/L-9/L-12, 18-W-5/18-W-8, Altec-Lansing A-1-X/A-7, Westrex T-520-B/T-521-A, Western Electric London 2082-A, 2084-C/D, 2084-E, 2085-A, 2309-A, 2081-A
・Monitor System モニタースピーカー
TA-7388, 753-C/751-B, 757-A
・Network ネットワーク
TA-7257, TA-7284, TA-7297/7297-A, TA-7332, TA-7375-A, TA-7376-A, TA-7354-A, TA-7444-A/TA-7473
・Current Supply/Power Unit/Rectifier パワーサプライ/レクティファイアー
5-A/A-5-A, TA-4035, TA-4144-A, 12-A, 20-A
●Electrical Research Products Inc.
Equipment Bulletin
Receiver
・555
・TA-4151 & TA-4153 Types
・596 & 597 Types
■発売日:2022年6月17日
■仕様:B5判274ページ/メイン写真・4色印刷(図版等・1色印刷)
■ISBN:9784880734774
まずは上掲の写真をご覧ください(以下、本文から引用)。
「ウェスタン・エンスージァストのみならず、オーディオファイルを自認する方がこの写真を初めてご覧になったとしたら、“凄い!”と一言つぶやき、我に返るまで口を開いたまま、本をタテにしたりヨコにしたりしながら嘗めるように見つめ続けるか、あるいは意外にシンプルな、アンプとは別物の重電用機器のように感じるか、おそらく反応は、二つに一つではないかという気がする。……」
そして「本体裏のカヴァーを外して見て、驚いた。この、何という凝縮感! お馴染みのウェスタンならではの小判型トランス類や四角いコンデンサー類が、ぎっしりと隙間なく、しかも整然と配置されているのである。
その間は、銅の単線に綿被覆を施したワイアーで確実に配線されている。すでにこの時点で、ウェスタン独自のワイアリング・テクニックが確立されていたことも驚きだ。
さらなる驚きは、この『8-A』アンプの出力がわずかに0.19W! だという事実である。なぜ、その程度の小パワーを得るために、ここまでの物量投入が必要なのだろう。現代のアンプからすれば想像だにできないほどの贅の尽し方、高音質へのこだわりである。……」
上掲の写真2点と引用文は、ウェスタン・エレクトリック(WE)が1921年12月12日に発表した『8-A Amplifier』の詳解ページに掲載したものの一部です。加えて、本書では、別掲の[主な記事内容]のとおり、高名な『41』-『42』-『43』をはじめ『86』や『91』など、ウェスタン・エレクトリックの代表的なシアター用アンプや、『7-A』『25-B』『34-A/B』などのコンシューマー用アンプについて、多彩なアングルからの美しいカラー写真や、豊富な回路図・説明図や特許図などを用いて、詳細に解説しています。
新 忠篤
●Amplifiers I
8 Amplifier/9 Amplifier/10 Amplifier/
41 Amplifier/42 Amplifier/43 Amplifier/
46 Amplifier/49 Amplifier
●Amplifiers Ⅱ
7-A Amplifier/14-A Amplifier/25-B Amplifier/
34-A/B Amplifier/59-A Amplifier/D-95036 Amplifier
●Amplifiers Ⅲ
86 Amplifier/87 Amplifier/TA-7387 Amplifier/
91 Amplifier/92-B Amplifier/118-A Amplifier/
105-A/B Amplifier/106-A/B Amplifier/120-A/B Amplifier/
121-A/B Amplifier/124-A Amplifier/141-A Amplifier/
142-A/B Amplifier/Westrex A-11+R-11 Amplifier
■Equipment Bulletin
Electrical Research Products Inc.
[資料集]
8-B Amplifier/9-A Type Amplifier/10-A Type Amplifier/
11-A Amplifier/41 Type Amplifier/42 Type Amplifier/
43 Type Amplifier/46 Type Amplifier/55-A Amplifier/
57-A Amplifier/59 Type Amplifier/60-A Amplifier/
61-A Amplifier/62-A Amplifier/86 Type Amplifier/
1086-B Amplifier/87 Type Amplifier/91 Type Amplifier/
92-B Amplifier/95-A/TA-7388 Amplifier Set/
TA-7467-A Amplifier/TA-7477 Amplifier
※ウェスタン・エレクトリック(WE)とは?
今日の情報化時代を拓いた先駆者であり、
映画や音楽を気軽に楽しめる社会――その礎を築いたメーカー
それが[ウェスタン・エレクトリック]です。
「ウェスタン・エレクトリック(WE)」は、正式発足が1882年という、実に永い歴史を誇るメーカーです。そのルーツは、アレキサンダー・グラハム・ベルによる電話機の発明ですが、その電話の普及に伴って業績を拡大し、やがて世界有数の電信・電話会社AT&Tへと発展します(つまり、今日の情報化時代を拓いた先駆者といえるでしょう)。
一方で、多種多彩な研究を行なう「ベル・テレフォン・ラボラトリー」と、その製造部門を担うウェスタン・エレクトリックを併設し、今日につながる多大な業績を残してきました。
その業績の一端を列記すると、
①真空管の実用化と各種アンプ回路の開発、
②コンデンサーマイクの発明、
③ディスク・レコードのマイクやアンプを使った「電気録音法」の開発(これ以前はラッパ吹込み)、
④トーキー映画システムの開発(これ以前は無声映画)と高音質の徹底追求、
⑤ムーヴィング・コイル(ダイナミック)型スピーカーの実用化(これ以前はもっと単純な方式)、
⑥信号の2進数符号化(デジタル化)理論の発表、
⑦トランジスターの発明、
⑧ステレオLPレコードの開発、
など、すべてが今日の映画や音楽/オーディオの世界の根底に脈々と流れている音響理論およびテクノロジーです。
こうした卓越した理論や技術に加え、弛まぬ研究・実験の積み重ねの末に、WEは傑出した製品を次々と生み出してきました。
その初期の製品は、開発以来すでに約100年が経過していますが、それに完璧な修復を施し、念入りに調整すれば、現在でも他では得られない素晴らしいサウンドを聴かせてくれる逸品ぞろいです。
つまり、今日の映画や音楽/オーディオの世界を築き上げたパイオニアであり、常にその最高峰に君臨し続けた類稀(たぐいまれ)なるメーカー――それがWEなのです。