サイドウッドを黒の漆塗りで仕上げた限定仕様。
高音質コンデンサーとJJ製真空管で豊潤な音を聴かせる

　兵庫県に本拠を置くレーベンは2025年に設立30周年を迎える真空管アンプの老舗ブランドで、オーソドックスな作りと意匠で仕上げられるアンプが海外でも支持されています。最新製品のCS300XSはEL84プッシュプルで出力が15W＋15W。寸法W360×H140×D270mmとコンパクトに仕上げられたインテグレーテッドアンプです。その「管球王国・限定特別仕様」を頒布します。

　CS300XSは前段に12AX7を使ったシンプルな回路構成で、内部を伝統的な手配線で仕上げ、国内で生産されています。5系統のLINE入力、0dB／＋3dB／＋5dBのバスブースト切替え、ヘッドフォン出力を装備し、スピーカー出力端子は4Ω／8Ω／16Ωが切り替えられる仕様です。「管球王国・限定特別仕様」は［1］真空管をスロバキアJJエレクトロニック製に変更 ［2］カップリングコンデンサーをデル・リトモ製Black candy ビタミンQオイルコンに変更し、電源部フィルター回路はアリゾナキャパシター製オイルコンデンサーを追加 ［3］サイドウッドは上質な黒の漆塗り仕上げに変更――のグレードアップが施され、音質をチューニングして意匠の魅力も高められました。

　試聴では、大型モニタースピーカーを使ってCS300XS標準仕様と「限定特別仕様」を聴き比べています。標準仕様は絶妙なブレンド感を持つ音で魅力を発揮し、「限定特別仕様」では、いっそうの豊潤さが加わって色香を感じさせる音が聴けました。ヴォーカルの厚みと滑らかさ、アコースティック楽器の暖かみと弾力など「口当たりの良い、美味しい音」を聴かせるアンプが、レーベンCS300XS「管球王国・限定特別仕様」です。



フロント、リアパネルともゴールド仕上げです。操作ノブは左端が入力切替え。右に向かって、ボリュウム、L／Rバランス調整、0dB/＋3dB/＋5dBのバスブースト切替えです。ヘッドフォン出力端子をフロントパネルに装備し、ヘッドフォン／スピーカー出力はスイッチで切り替えます。


リアパネル中央に1系統のスピーカー出力端子を装備。4Ω／6Ω／8Ωをスイッチで切り替える仕様です。右端がLINE5系統のRCAアンバランス入力端子で、テープ入力も装備します。


天板を外した内部です。「管球王国・限定特別仕様」はサイドウッドが黒の漆塗り仕上げ。真空管は標準仕様のエレクトロ・ハーモニック製に対して、すべてJJエレクトロニック製を採用します。中央が出力管EL84、フロント側が前段管ECC83S（12AX7）です。


底板を外した内部です。中央の黒いコンデンサーがカップリング用のデル・リトモ製Black candyビタミンQで、音質に定評のある現行国産品のオイルペーパーコンデンサーです。電源部フィルター回路は、リア側面部に見えるアリゾナキャパシターズ製オイルコンデンサーを標準仕様に対して追加装備し強化されています。

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