マークオーディオ製13cmフルレンジユニット3種が適合。
木製天板と紙製円筒型エンクロージュアで豊かな音が聴ける

　フィディリティムサウンドChimneyは、木製天板と紙製円筒型エンクロージュアが組み合わされたスピーカーシステムです。マークオーディオ製13cmフルレンジユニット3種が選べ、適合ユニットを既にお持ちの方向けに「ユニットなし、穴開け済み天板とエンクロージュアのみ」の仕様も用意されています。

　Chimneyの原型は、『管球王国』筆者の新 忠篤氏が紙製パッケージの再利用でDIY製作したスピーカーです。『管球王国』98号、99号、102号では、それを発展させて市販のボール紙製円筒型収納箱を使ったスピーカーを製作し、現行／ヴィンテージのフルレンジユニット聴き比べ記事を展開しました。Chimneyは、木工のノウハウを持つフィディリティムサウンドが天板部を赤松集成材で製作し、新たなボール紙エンクロージュアと組み合わせて製作しました。
　Chimneyは新 忠篤氏DIYスピーカーのコンセプトを引き継ぎ、ユニットが上向きであることで音の広がりが得られ、箱の各部が共鳴することで豊かな低音感を得やすい構造が特徴です。木製天板部はボール紙製エンクロージュア本体から脱着でき、内部のスピーカーケーブルは先端がファストン端子で、適合ユニット3種の交換も容易です。選択可能なユニット3種は、パルプにマイカとグラスファイバーが混抄された振動板を採用するマークオーディオCHP90 MICA、メタルコーン採用のCHR90 Champagne GoldあるいはCHR90 Silverです。

　Chimneyには1段システムと2段システムがあり、いずれもユニット付き／ユニットなしが選べます。2段システムは1段システムに延長筒をジョイントした構造で、内容積の増加で音の豊かさが向上しています。
　新 忠篤氏は『管球王国』113号のChimney取材記事で、オーケストラのすべての音が浮き出すように聴こえて、大型スピーカーを思わせる音が得られたと記しています。さらに、2段システムではスタジオでの再生を聴くような生々しさが格段に強まったと評価しています。



写真の延長筒をジョイントすることで1段システムから2段システムに拡張される構造です。容積は、1段システムの約18Lから、2段システムでは約33Lに拡大します。


1段システム、2段システムとも入力端子はエンクロージュア側面下部に装備します。


木製天板部を外した1段システムの内部です。底面に吸音材が敷かれます。内部のスピーカーケーブル先端はファストン端子で、ユニットの入力端子と脱着が可能です。


本体から外した木製天板部の表面です。写真はマークオーディオCHP90 MICAが装着された状態で、3種の同社製13cmフルレンジユニットが適合します。


木製天板部の裏面です。天板部は本体の蓋状の構造です。


お届けする実機は天板部に写真の製品ロゴが刻印されます。「Chimney」の左のMはマークオーディオ、右のFはフィディリティムサウンドを表しています。

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