優れた空間表現とワイドレンジ再生をもたらす、
真空管アンプに照準を合わせたスピーカーケーブル

　厳選したハイグレードパーツの採用や熟練した技術者による丁寧なハンドメイドで、音質と信頼性を徹底して追求した真空管アンプ作りを続ける上杉研究所。同社が真空管アンプメーカーとして初めて送り出すスピーカーケーブルがウエスギU・BROS-SC1だ。メインアンプの信号をロスなくスピーカーに伝送しコンポーネントの持つ能力をあますところなく発揮させるための存在という、スピーカーケーブルに対する同社の認識を具現することが開発の主旨。真空管アンプならではの音楽表現を充分に引き出すことを目指した。

　ケーブルの電気特性の目標は真空管アンプの出力特性を考慮して設定し、最適な構造と材質を選定した。導体は高解像度の音質を狙ってPCOCC(単結晶状高純度無酸素銅)を採用。導体の外径は表皮効果の軽減(高域歪みの追放)を目指し約1mmとした。信号電流の外部漏洩と外来ノイズの影響を追放するため往復線路を同軸配置とする。

　ケーブル全体の弾力性、制振特性の向上に配慮しながら、ハロゲンフリーのシース材を採用。仕上がり外径は12mmである。

　『管球王国』66号の取材では、アンプ本来の音楽表現に加えて、駆動力が増したようにも感じさせるワイドレンジな音、ローエンドの伸びと高域の解像感に優れた音を聴くことができた。真空管アンプメーカーが特性と音質の吟味を尽くしたスピーカーケーブル。ぜひ愛用のアンプとスピーカーに組み合わせて、その魅力を実感していただきたい。

　末端はYラグ、またはバナナプラグが選択可能。いずれもフルテック社の特製品で、金メッキの下地材も充分に吟味した。バナナプラグは高精度な切削加工、Yラグは純銅パイプ成型による高剛性構造だ。

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